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オーガニックな食材を農園から食卓へ。

石橋自然農園石橋 智さん・美和子さん

料理人で農家

飛騨市神岡町山之村地区で農薬を使用せず野菜を栽培する【石橋自然農園】を夫婦で経営する石橋さん。夫の智さんは、高山駅前で農園の野菜や飛騨産の旬の食材を使った料理を提供する【カフェ植村】のオーナーでもある。「店をオープンする前は、伝統野菜や固定品種の野菜など、自給用の野菜が中心でしたが、今では料理に使う珍しい野菜やハーブ、食用花など数多くの品種を栽培するようになりました。お店には、プロの料理人もお客様として来店するので、料理や食材について語る機会が増え、そのおかげで料理の現場ではどんな食材が求められているのかを知るいい機会にもなっています。これまで”食の安心・安全・美味しい”を求めて野菜作りをしてきました。これからは、料理を通じて飛騨産の美味しい野菜や旬の食材を紹介し、飛騨地域の豊かな自然や四季を感じてほしいと思います。野菜だけでなく、季節の山菜や野の花、薬草なども取り入れていきます。」

飛騨の野菜をもっと多くの人へ。

自給から始まった石橋自然農園。「地元の直売所などで野菜を販売し始めたところ、あるお客様が陳列棚に並んだ野菜を眺め、値段や鮮度、パッケージだけの情報で、購入するかどうかを決めている姿を目にしました。そこで私が少しだけ野菜の特徴や美味しい食べ方などを説明すると目を輝かせて買ってくれました。そんな経験から飛騨産の美味しい野菜や食べ方などをもっと知ってもらおうと、自ら料理する【カフェ植村】を開業しました。店では野菜のことだけでなく、環境保全を意識しヤギや鶏から自家製の堆肥作りをする循環型農業に取り組んでいることもお話しします。朝から農業で汗を流し、夕方から仕込み、ご予約いただいたディナーのお客様をお迎えする。農園と店の通勤は夏でも往復三時間かかります。お客様からは、『よく疲れませんね?』とたびたび聞かれますが、野菜を通じてお客様と会話をする時間は疲れを忘れさせてくれます。お店では野菜の栽培方法から調理のことまで何でも伝えます。小さなお店だからこそ一人ひとりのお客様に丁寧に対応できます。コロナ以前は海外からの来客も多く、日本の食材や調理方法などに興味をもって来店されるので、飛騨地域の自然や食文化を話します。皆さん料理の味より私の話に満足されているようです。(笑)これからも農家と料理人の二刀流でいきます。」と智さんは話す。

夫の二刀流を支えるベストパートナー

智さんが二刀流で活躍できる背景には、妻の美和子さんがあってのこと。智さんがお店にいる時も畑の管理や動物たちの世話は欠かさない。「お店で食事をしていただく方の笑顔を創造して、野菜たちに種のころから話かけています。『元気に育ってね』と。野菜は子育てと一緒。種からしっかり愛情を込めて育てています。そして何より山之村の澄んだ空気と山から湧き出る清流のおかげで美味しい野菜が育ちます。これからも季節の野菜や野の花が咲く里山風景を、農業を通じて残していきたいです。」と語る美和子さん。夫を支える最高のパートナーだ。

【カフェ植村】

〒506-0025
岐阜県高山市天満町6-6
℡080-2614-6670
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