山之村の環境で作る野菜たち
飛騨市神岡町山之村(やまのむら)地区でほうれん草を中心に野菜を栽培する清水さん。実家が山之村で農業を営んでいた清水さんだが、学校を卒業後は、お隣高山市で夜勤もある長時間勤務のお仕事に就いていましたが、太陽とともに暮らしたいと考え、飛騨市に戻り農業を始めました。農家に転身するのには、奥様の後押しがあったことも決めてだったとのこと。
夏は、ほうれん草、秋は大根、冬は寒干し大根の栽培を行っている。野菜を栽培する上で大事なことは、土壌と土に住む微生物、自然環境と語る。土を柔らかくするように資材を変えたり思考錯誤をする上で味も変わり美味くなり皆さんに喜んでもらえるとのこと。
厳しい環境が作る「寒熟だいこん」「寒干し大根」
氷点下20度まで気温が下がる山之村地区で作られる「寒熟だいこん」と「寒干し大根」。
「寒熟だいこん」は、秋に収穫した大根を土の中に埋めて熟成させることで、甘味の強いだいこんに変わります。土の上に雪が積もることで温度が一定になり腐ることもなく、サラダでも煮物でも美味しい大根になります。
「寒干し大根」は、山之村に暮らしていた先人たちが生み出した天然のフリーズドライ食品。豪雪地帯で陸の孤島にもなる山之村の貴重な冬の保存食です。寒干し大根作りには、「凍み、太陽、風」の3つが不可欠です。夜間には、氷点下20度まで気温が下がるため大根は凍り、昼間の太陽がそれを溶かし、風に晒されることで乾燥します。それを繰り返し約1ヵ月間晒された大根は、色が綺麗な瑠璃色に変わり甘味が凝縮した「寒干し大根」に変身します。