マイナス20度の寒風と太陽が凍み込んだ琥珀色の甘い結晶「寒干し大根」
雄大な飛騨山脈の麓にある人口100人ほどの小さな集落「山之村」は、日本の里100選にも数えられる里山の原風景が広がる美しくも厳しい大自然を舞台に人々は昔から農業を中心とした時給自足の生活を営んできました。豪雪地帯でもある山之村地区は、かつては陸の孤島となることもありました。そんな山之村の地において、寒干し大根は冬場の貴重な保存食として食べられてきました。厳冬期、寒干し大根は家々の軒下で約1か月間寒風干しされ、”天然のフリーズドライ”食品が完成します。
寒干し大根の完成までには山之村の厳しい寒さを始めとする自然の力と、生産に携わる人々の手間暇のかかった手仕事が欠かせません。ここでしか作れない味をぜひ味わってみてください。
寒干し大根ができるまで
保存・掘り出す
収穫後、雪が降るまで土の中に埋めて貯蔵し、外気温がマイナスになる頃、土の中から掘り出します。
掘り出しから干し終えるまでは、外気温マイナスの中でも作業はすべて手作業で行います。
洗う・ゆでる
土中から掘り出した後の大根は丁寧に水洗いし、皮をむき、輪切りにしたあと30分ほど茹でます。
干す(前半・後半)
茹で終えた大根を串に通し、軒先に干します。山之村のマイナス20度にもなる厳しい寒さの中で干すことで、徐々に小さく縮んでいきます。
約30日ほど寒気に晒したあとは、室内で完全に乾燥させます。
選別・出来上がり
出来上がった寒干し大根を持ち寄り、選別・包装して完成します。
寒干し大根のもどし方
ぬるま湯または水に10~20分程度、しんなりするまで浸したら完了。
寒干し大根特有の食感がなくならないよう、もどしすぎないことが美味しく仕上げるコツです。
【簡単なもどし方】
寒干し大根を耐熱容器に入れて水をひたひたに注ぎ、600wの電子レンジで2分ほど加熱したら完了。
サラダなど、そのまま使う場合はもう数十秒追加してください。
※機種によって加熱具合に誤差があるため、様子をみながらお試しください。