飛騨市有機農業実施計画
令和7年度〜令和11年度(5年間)
飛騨市有機農業実施計画とは
近年、地球温暖化が原因とみられる記録的な猛暑や豪雨などが、国内のみならず世界各地でも甚大な被害をもたらし、農林水産業におけるリスクが今後さらに高まると予想されています。政府も「みどりの食料システム戦略」を策定し、有機農業の推進を図る方針を打ち出すなど、食料生産・農林水産業における環境負荷の低減を図り、豊かな地球環境を維持することは、持続的な発展に不可欠であり、次世代に向けて取り組まなければならない重要かつ緊急の課題となっています。 こうしたことから、本計画は環境負荷を低減した農業を推進するため、環境保全型農業に取組む生産者団体や市・関係機関と連携し、多様な担い手の確保・育成をはじめ、栽培技術の向上や省力化に向けた取組みのほか、市内保育園・小中学校の給食での活用や、有機農産物に関する地域の理解醸成に向けた取組みを盛り込んだ計画となっています。
有機農業の課題
①人材育成及び教育の課題
②栽培管理及び技術面の課題
③販路・流通・販売の課題
④有機農業に関する理解醸成の課題
5年後に目指す目標
■面積 有機農業取組面積(ha) 現状10ha ⇒ 22ha
上記取組面積のうち水稲面積(ha) 現状5ha ⇒ 15ha
■生産者 有機農業に取組む農業者数(人) 現状9人 ⇒ 14人
有機農業推進のための具体的な取組み
Ⅰ 人材の確保・育成
(新規就農・特別栽培生産者・半農半商・いきがい農家)
①就農フェア等への参加 新たに農業を目指す者を広く募集し、農業を通じた移住・定住を促進します。
東京・大阪・名古屋等 年5回程度
②新規就農を希望する者の育成・研修の場を設置 新規就農を目指す者の受入先や、有機農業の生産現場を知ることで就農へ繋げます。
(1)岐阜県あすなろ農業塾長2名登録
(2)短期研修プログラムを通じた育成(随時)
③多様な農業者の育成・支援(家庭菜園・生きがい農家等)
(1)休耕地と新たな希望者とのマッチング(随時)
(2)有機農業現地勉強会など
Ⅱ 生産体制の構築
①栽培技術向上に向けた取組
(1)県・研究機関と連携した技術支援
(2)ぎふ清流GAPの実践に向けた支援
②有機稲作の普及・拡大に向けた取組
(1)水田抑草ロボットや乗用型除草機の試験導入
(2)研究機関による現地勉強会の開催
(3)耐病性品種の導入等など新技術の検討
③草食動物を活用した法面除草検証
ヤギを活用した法面除草を行い省力化の検証 (宮川町杉原)
④飛騨市伝承作物の継承・普及
(1)伝承作物の栽培マニュアルの作成
Ⅲ 有機農産物の流通・販売の促進
①有機農産物の販売強化となる仕組みづくり
市内で生産される有機農産物の集荷・販売を行う拠点づくりを実験的に行います。
②レストラン・旅館等と生産者のマッチング
市内事業者や県外のレストランと生産者を繋ぎ新規販路に繋げていきます。
(1)首都圏・中京圏シェフの招聘(各1回)
③学校給食での活用促進(有機農産物等)
市内保育園、小中学校の児童生徒に対し、環境に配慮した農業や生物多様性について理解を深める機会を設けます。
有機トマト 年1回 / 脱プラ米 年1回 農薬・化学肥料不使用米 年2回
Ⅳ 地域の理解醸成に向けた取組
市民の皆さんに有機農産物に対する理解と関心を深めるため、年間を通じて様々な取組みを行います。
①著名人による講演会やセミナーの開催
②料理教室の開催やレシピの紹介
③学校給食を通じた食育の推進
④市民参加型イベント
(1)有機農産物の収穫体験
(2)ファーマーズマルシェやワークショップ開催
⑤飛騨市食のサイト「Hidaichi」での掲載・周知
実施財源
この取組みは国の「みどりの食料システム戦略緊急対策交付金」を活用し実施します。