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飛騨の自然と人々に感謝。

ありがとうファーム雲英 顕一

会社員から農家へ

関東出身の雲英さんは、高校・大学を卒業後は、会社員の道へ。会社員として勤務をしている中で、地球環境や飢餓問題の講演を受けて衝撃を受け、その課題の大きさに何ができるのかを考えている中で「自分で食べるものを作れるようになろう!」と思い、会社勤務の傍ら週末ファーマーとして農業を開始。週末ファーマーを経て、会社を退職し3年間の研修を行い千葉県で就農し3年後、土や農作物など自然に感謝の気持ちを込めて「ありがとうファーム」を立ち上げました。

飛騨市への移住

千葉で農業を行っていましたが、2011年の東日本大震災をきっかけに安全性など、不安に感じる部分もあり移住を考え始めました。そこで、繋がったのが岐阜県飛騨市でした。飛騨の澄んだ水や大自然、美味しい野菜作りに必要な環境(昼夜の寒暖差など)が自分に合っていると感じ移住を決意しました。加えて、冬は大雪がふる飛騨なので、畑仕事に区切りをつけることができることも一つの魅力でした。

美味しさを作る飛騨の自然

ありがとうファームでは、飛騨の大自然の中でトマトや小松菜など旬の野菜を少量多品目で栽培しています。できるだけ自然環境への負担を小さくする栽培方法を選び、化学肥料や農薬などを一切使用していません。ただ、思ってだけでは美味しい野菜を栽培することはできません。科学的なアプローチや技術を取り入れるのも必要です。圃場の土壌分析を行うことで、土の状況を把握し、病気が出にくい、栄養価の高い美味しい野菜が育つための土づくりに励んでいます。その結果少しずつではあるが、成果も出ています。「オーガニック・エコフェスタ」では、栄養価コンテストにて4年連続で小松菜部門の最優秀賞をいただいています。

農業を通じて、みんなが幸せになれる社会

2013年から「NPO法人 アースアズマザー岐阜」での活動を本格的に開始しました。岐阜県認定の生活困窮者就労訓練事務所として就労準備支援事業を行っています。社会問題にもなっている、長期間、職に就くことができず引きこもっていた人が、急に社会に復帰することは難しいことです。人との関係性や社会について少しずつ時間を取り戻すお手伝いを行っています。その後希望があれば、就職や社会復帰する最後の訓練する場所として「ありがとうファーム」を活用してもらっています。