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水かがみの味噌造り ~地域の味を守り、残す~

水かがみ

水かがみの活動

 水かがみは、平成16年に飛騨市古川町の農家婦人らで結成した味噌造りグループ。当時、飛騨市古川町壱之町にあった旧三木こうじ店の指導を仰ぎながら活動をスタートしました。
 水かがみの活動は毎年8月頃から始まります。会員が集まり、当年度の味噌造りスケジュールや材料・資材の確保、申込者募集などをグループの中で役割分担して行い、11月中旬~下旬頃にいよいよ味噌の仕込みに入ります。会員の家庭や飛騨市河合町にあるやまさち工房で、3日間かけて約100口程度仕込むこの味噌は「手作り味噌の委託(仕込み味噌づくり)」という形式で年に1回申込みを受け付け、仕込んだ味噌を申込者の各家庭で1年~1年半程度熟成させることで完成させます。
 飛騨市産の大豆や飛騨市産のお米からつくった麹など、主に使用する食材は地元産にこだわっているこの味噌は、甘く風味豊かで、味噌汁にしても味噌が分離せず味が均等になっているのが特徴です。また、大豆を蒸す時には加工場の業務用蒸し機を使用するため、大豆本来の味を逃さず、甘みをぎゅっと閉じ込めたまま蒸し上げた大豆になり、その味は格別です。
 私たち、水かがみは、旧三木こうじ店の味噌の味、そして、水かがみの味噌造りを後世に伝えていくため、活動を続けています。私たちと一緒に活動してくださる方も大募集していますよ。

水かがみの味噌造り ~3日間に密着~

目次

・1日目:大豆・麹・塩の計量、大豆洗い、資材運搬

・2日目:味噌の仕込み 1日目(約50桶:約12桶×4回)

・3日目:味噌の仕込み 2日目(約40桶:約12桶×4回)

1日目:大豆・麹・塩の計量、大豆洗い、資材運搬

大豆の計量

3リットルの桶に仕込む用の大豆を計量します。やまさち工房での味噌造りは2日間に分けて行うため、1日目に仕込む分と2日目に仕込む分は分けておきます。

大豆洗い(1日目に仕込む用)

計量した大豆のうち、1日目に仕込む分の大豆を桶に入れて冷水で3回洗い、ざるで水を切ったあと蒸し布に入れます。大豆を入れた蒸し布は、水につけてふやかしておきます。

麹・塩の計量

1つの桶に使用する麹と塩を計量し、袋詰めします。

 

資材運搬

1日目に仕込む用の洗った大豆、2日目用に計量した大豆、計量して袋詰めした麹と塩、味噌を仕込む桶、その他各種資材などをトラックに積み込み、飛騨市河合町にあるやまさち工房へ運搬します。

翌日準備

運搬した資材を加工場内に持ち込み、翌日の準備をします。1日目に仕込む用の大豆は大きな水槽に入れて、翌日までさらにふやかします。

 

2日目:味噌の仕込み 1日目(約50桶:約12桶×4回)

準備(1):衛生管理

参加者をリストで確認し、検温・アルコール消毒などを済ませます。服装は、袖付きのエプロンに三角巾、ニトリル手袋、マスクを着用し、室内用の長靴を履いて、衛生管理に努めます。

準備(2):味噌玉用の冷まし湯

味噌玉を作る時に使う、冷まし湯を作っておきます。熱すぎると麹と混ぜた時に菌が死んでしまうため、60度以下まで冷ましたものを使います。1日目に使う用は、前日のうちに会員の家庭で準備し、持ち込みます。

準備(3):申込者の桶の準備

申込者リストを確認しながら、桶を確認して並べます。また、桶のふたには仕込日と申込者の名前が記載されたシールを貼りつけます。

準備(4):桶の煮沸消毒

桶本体には熱湯をかけ、煮沸消毒します。煮沸消毒した桶は、申込者リストを確認しながら、仕込む味噌のコースや順番ごとに桶を並べます。

作業(1):大豆を蒸す①

前日準備で水槽に入れてふやかした大豆を、蒸し布ごと蒸し器に入れて蒸します。蒸し機には、1回に12袋入れて蒸します。
ご家庭で味噌造りをする場合、この大豆を蒸す作業は、家庭用蒸し器で蒸したり煮たりすることが一般的ですが、水かがみの味噌造りでは加工場にある業務用の蒸し機で蒸すため、大豆本来の甘みを逃がさずぎゅっと閉じ込めたまま蒸すことができます。

作業(2):大豆を蒸す②

蒸しあがった熱々の大豆を蒸し機から取り出し、大豆を桶に移します。空いた蒸し布は、翌日仕込む大豆をふやかす蒸し布として利用し、桶に移した大豆は次の工程に行きます。
蒸し機には、水槽から出した次の大豆を入れて、2回目の蒸す作業に移ります。

作業(3):大豆をミンチ状にする

桶に移した大豆を、機械に入れてミンチ状にします。

作業(4):ミンチ状にした大豆を冷ます・塩を混ぜる

ミンチ状にした大豆を台の上に広げ、混ぜながら粗熱を取ります。少ししたら塩を混ぜ合わせ、人肌程度(36~37度)まで温度を下げます。
この後に麹を混ぜ合わせるため、この時には、できるだけ塊にならないように(そぼろ状に)混ぜるのがポイント。

作業(5):麹を混ぜ合わせる・冷まし湯を加える

人肌程度(36~37度)まで温度が下がったら、麹を加えます。大豆と麹が全体的に混ざるよう、よく混ぜ合わせます。この時もまだ、塊にならないように、全体的に混ぜ合わせるのがポイント。
全体的に混ざったら、一旦、土手状に広げて冷まし湯を加え、その後、全体を練るように混ぜます。混ぜ合わせた時、耳たぶくらいの固さになるのがポイント。その時の麹の状態や大豆のふやけ具合、気温などによって、加える冷まし湯の量や固さも異なります。また、麹が固まっている場合は、混ぜ合わせる前に、バラバラにほぐしておく必要があります。この感覚を覚えるには、長年の経験と感覚が重要になります。

作業(6):味噌玉を作る・桶に投げ入れる

耳たぶくらいの固さになったら、ボール状に丸めて「味噌玉」を作ります。作った味噌玉は、空気を抜くため、桶に投げ入れていきます。
投げ入れいる時も、できるだけ隙間ができないように詰めて入れていくのがポイント。

作業(7):味噌の表面を整える

桶に投げ入れた味噌玉の表面を平らに整えたら、次の仕上げ作業へ。

作業(8):仕上げ作業

軽く整えた味噌をさらに綺麗にならし、平らに整えたら、桶の枠にそって少し溝を作り、塩を回し入れます。
その後、表面にアルコール(焼酎)を吹きかけ、蒸し布を敷き、その上に酒粕を敷き詰めて蒸し布の端で包み込みます。酒粕を敷くことでカビ予防をすることができ、さらに、味にコクが出ます。

作業(9):仕込み完了

仕上げ作業が終わった桶に、名前シールを貼った蓋をかぶせて完了。
後は、各家庭に持ち帰っていただき、1~1年半程度熟成させることで、味噌ができあがります。

ここまでで1回転。準備(4)と、作業(1)~作業(9)までを、午前2回、午後2回、繰り返します。

 

作業(10):翌日準備…大豆洗い(2日目に仕込む用)、桶の準備、冷まし湯準備など

2日目に仕込む用の大豆を洗い、空いた蒸し布に入れて、大きな水槽につけてふやかしておきます。その他、2日目に仕込む用の桶の準備や、冷まし湯の準備をします。

作業(11):後片付け

全員で床掃除やごみの片づけをします。


これで、1日目の仕込みは終了です。

 

3日目:味噌の仕込み 2日目(約40桶:約12桶×3回)

準備(1):衛生管理

仕込み1日目と同様に参加者をリストで確認し、検温・アルコール消毒などを済ませます。服装は、袖付きのエプロンに三角巾、ニトリル手袋、マスクを着用し、室内用の長靴を履いて、衛生管理に努めます。

ここからは仕込み1日目と同様に、準備(4)と、作業(1)~作業(9)までを、午前2回、午後1回、繰り返し、約40桶を仕込みます。

後片付け・荷物搬出

全ての作業が終了したら、全員で床掃除やごみの片づけをし、各会員が持ち寄った資材を車に乗せて搬出します。

これで、2日目の仕込みは終了。

全3日間の味噌造り工程はこれで終了となります。