奥さんと、ご自身の実家がどちらも農家だという清水さん。最初は、別の仕事をやっていた清水さんですが、奥さんとの出会いによって、農業を始めることを決意します。「お互いに『農業をやりたいね』という話をしていたんです。山の村に帰りたいという思いもあったし、勤めていた時は夜勤もあって生活のリズムが崩れていました。太陽とともに暮らしたい、という思いも強かったです。」奥さんは「山の村で農業をやれたことは、恵まれたスタートだったと思います。」と話してくださいました。
ほうれん草を選んだ理由には、山の村という土地が大きく関わっています。「ほうれん草は、人の手がないとできない作物なんです。コミュニケーションを大切にして、人と関わって作っていく作物です。」実際に作業をしている建物の中を見せていただくと、スタッフの方がたくさん!葉を傷めず土を落としたり、根を切ったりする作業は、機械ではできず、手作業で行うそうです。地域一体で生活している山の村だからこそ、お互いに支え合いながら生活している姿が、そこにはありました。
山の村だからこその苦労についても聞きました。「機械のトラブルや、何か問題が起こった時にすぐに対応できないことですかね。資材もすぐには手に入らないですし。また、山の村は冬の方が長いから、雪との関わりも大きいです。雪が降る時にハウスを作らなければいけないですね。」でも、そんな山奥だからこそ見られる景色もあるんだとか。「ほうれん草は日が当たらないうちに収穫するので、朝の静かな空気が好きです。すがすがしくて、霧が出ていることもあり、ダイアモンドダストが見られることもあるんです。朝しか見られない景色です。寒干大根は、かけ終えたときの達成感がすごいですよ。寒い凍みた日の朝は大根に付いた結晶がきらきらしていてそれも綺麗です。」
寒干大根は、珍しいもので、ここでしかできないもの。ほうれん草も、ここだから作ることができる。だからこそ「『山の村の野菜っておいしいな』と思ってもらえるように、味にこだわって作っています。」と清水さんは力強く話してくれました。
「神岡が一番近い町なので、助けてもらっている感じがします。神岡町にある『もりのや』の森下さんは、同級生なんですよ。普段から野菜を卸しているんです。」2人の絆が、おいしさへ変わる。『もりのや』では、1年を通して、「清水農園」の山の村の味が楽しめます。ぜひ、山の村と神岡のコラボをお楽しみください。