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米を作る魔法の手

みつわ農園永田政和さん

 「俺の手は、『魔法の手』って言われてるの。毎年、人から田んぼを預かる。どの田んぼの米も俺の手がかかると米が良くなるのよ。」その言葉通り、お米の食味分析鑑定コンクールで数々の賞を受賞しているみつわ農園さん。初めてコンクールに参加してから、常にベスト40をキープしているだけでなく、ベスト10には4回、ベスト1に輝いたこともあるそうです。そんなおいしいお米を作り続けるみつわ農園・永田政和さんにお話を聞きました。

「おいしいお米を作るにはね、コツがあるの。まずは収穫量。普通の人が1反(300坪)に10俵目安で収穫するところ、うちは7俵を目安に育てて収穫する。あとは植える間隔やな。しゃっかく植えっていって、苗と苗の間を30センチ空ける植え方で少し間隔を広めにするの。そうすると、風通しがよくなるんや。」長年お米を作っているからこそ、分かるコツ。「これ、企業秘密じゃないんですか?書いてもいいんですか?」と聞くと、「いいよー」と惜しみなく許可をいただきました。

「でも、それが良ければいい、というわけでもないんやさ。全部の行程をきちっとしていった先に、『これは』というものができる。」お米作りの行程は、たくさんあります。田んぼ作り、田植え、収穫、精米…すべてをこだわるからこそのお米のおいしさがあるそうです。「秋の時期。実りの、こがね色のな。収穫するときには、稲と話ができる。毎日観察しとると、分かってくる。収穫に良い時期は3日間。早すぎても遅すぎてもだめ。」その3日間を逃さないように、稲と毎日話をしているそうです。

現在ははふるさと納税をメインに出荷しているそうです。定期便は、リピーターさんも多く、冬にすべてのお米が売れてしまったこともあるんだとか。「最近、飛騨の方でも『お前んちの米、初めて食ったけど、ひでぇうめえんやなぁ』って言ってくれる人もおるよ。」と、みつわ農園のお米ファンはどんどん増えています。「食べたらほかのお米とは全然違う。ぜひ食べてみてほしいなぁ。自信はある。」と、永田さんは豪快に笑って話してくれました。